・ゼミの形式

安達ゼミは、「地域振興」「まちづくり」に関する調査研究を行うことを目的としています。現地調査、文献調査の双方の手法を用いますが、特に、現地に行って、目で見て、直接、現場を感じることによって、学生にまちづくりの実際を理解してもらえるよう心掛けています。山梨県内はもとより、県外、海外も調査対象地域としています。ゼミの標準サイズは5人とし、1人1人に丁寧にアドバイスできるよう心掛けています。

・ゼミで行った主な活動

これまでの取材内容としては、山梨県内では「甲州ワインの海外進出」「FM甲府と防災」「甲府中心市街地の現状と課題」「甲府とりもつ煮(みなさまの縁をとりもつ隊)によるまちおこし」「甲府市の宝石産業に現状と課題」などが挙げられます。

2年次では、1年間をかけて地域振興に関するゼミ(機関)誌「VISION」を制作していました。各自が取材先を見つけ、ゼミ生全員で現地におもむき、視察やヒアリング調査をし、文章を推敲したうえで記事化し、レイアウトなども工夫することによって、他の人に読んでもらえるようなクオリティのものにまで仕上げることを目標としています。

このような過程を経ることにより、地域振興、まちづくりの現場への理解を深めるだけでなく、アカデミックで必要な様々なスキル、特に、取材(ヒアリング)能力、文章力、論理的展開能力などを身につけてもらいます。

3年次、4年次では卒業研究に着手します。3年次では、自分で好きなテーマを決めて、ゼミで議論をしながら主題となるテーマを絞っていきます。次に、研究計画書を作り、それにしたがって基礎的な文献調査を行います。4年次では、3年次で行った調査をさらに充実させ、フィールド調査を実施することによって、4年間の集大成である卒業論文としてまとめていきます。

また、「VISION」制作の一環として、夏に取材旅行を行うのが慣例となっています。2011年は「沖縄」へ行き、沖縄における地域振興の現状について調査してきました。取材内容は、「那覇国際通りの活性化」「サンゴの養殖への取り組み」「沖縄市のエイサーによるまちづくり」「紅いもタルトによる地域振興」「リゾートホテルによる地域振興」などです。2012年は、「コミュニティビジネス、ソーシャルビジネス」をテーマに、英国ロンドンへの調査旅行を実施しました。

・甲府ヘリテージ(地域資源)発掘事業

2014年度は、2、3年生合同で甲府ヘリテージ発掘事業を実施しています。甲府を歩き、ヒアリングなどをしながら、甲府の宝、地域資源となるものを発掘するというプロジェクトです。1年間で500個の資源を見つけることを目標としています。

卒業研究のテーマ  

卒業研究のテーマは、地域振興、まちづくりに関連するものあれば、どんなものでもよく、学生に自由に選んでもらっています。まちづくりは、政治、経済、社会、文化といろいろな側面から研究することができるため、自分の関心と結び付けやすい分野だと思います。これまで、ゼミ生が行った主な卒業研究のテーマは以下の通りです。内容は多岐にわたっていることがよくわかると思います。
・塾形式のひとづくり事業は地域活性化に有効か

・地域ブランド戦略は地域振興に有効か

・甲府市のユニバーサルデザイン政策はどうするべきか

・吉祥寺はなぜ理想的な街と評価されるのか ~コンパクトシティ論を手がかりに~

・山梨県における地域産業資源活用事業とその課題

・演劇はまちおこしのツールとなりうるのか ―松本市を事例に考える―

・アートマネジメントによる地域文化芸術振興

・観光客に「行きたい」と思わせる観光PR戦略 ―観光心理学を手掛かりにして―