<神岡振興事務所>

 神岡振興事務所は、磯崎新さんという日本の有名な建築家が設計した昭和53年に建設された庁舎(当時は神岡町役場)である。磯崎新さんは、2019年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞している。神岡振興事務所は、研究所や宇宙線の様にも見えることが特徴であり、近未来的な印象で町の中でも浮かび上がっているように見える。外の駐車場には、ニュートリノを観測するための装置であるカミオカンデやスーパーカミオカンデの大きさを表す線も描かれており、その大きさを知ることができる。

神岡振興事務所
神岡振興事務所

   

<鉱山>

 鉱山の企業の土地として有名である神岡町。現在では鉱山での発掘作業は行われおらず、廃墟となってしまっているが、最盛期のときの街並みはそのまま残されている。例えば、この写真の家の下は空洞になっていて柱で支えられている形になっている。これは、昔工場で働く人たちの社宅がこの上の山にあったが、社宅から工場までの道が狭かったため広げようとした。しかし、そこに住んでいる人たちはそこから移動しようとしなかった。そのため、家を道路からはみ出した形で建て、現在もそのまま残っている。これは、今現在このような方式で家を建てようとしても建築法に引っかかってしまうため建てることができないようだ。

           

<水屋>

 また、神岡町は水が美味しいことで知られている。町内のいたるところに共同水屋があり、ここから湧き出ている水を自由に飲むことができる。上水道が引かれた今も野菜を洗ったり冷やしたりと地域の生活に溶け込み利用されている。水はとてもきれいであるため、きれいな水のところにしか生息しない“ちんかぶ”(神岡町地域での呼び名)がおり、これは町のシンボルともなっている。

柳川水屋

  

ちんかぶが描かれているマンホール

             

<船津宮下花街>

 昔、鉱山の発掘作業が行われていた神岡町では、花街が発展していた。神岡鉱山の盛り上がりに歩調を合わせるかのように、船津宮下花街は年々膨張していったそうだ。その理由として、鉱山の発掘作業を行うのは男性が多く、まちには女性があまりいなかったということが挙げられる。男性は女性との出会いを求めて、この場に訪れたという。写真は、当時遊郭として使われていた若松家である。一階には「顔見せの間」があり、戸外から内部がのぞける間隔の広い格子は、女性たちが横並びで客待ちした名残が残っている。男性はこの顔見せの間で女性の顔を見て、良いと思ったら中に入りその女性と二階の個室へ行って遊んでいたそうだ。

若松家

         

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です